※本記事は筆者の実務経験(税理士事務所2年半・経理財務16年半・現在広告会社CFO)をもとに執筆していますが、最終的な判断は税理士や所轄の税務署にご確認ください。税率・控除額等は2026年6月時点の情報です。
「個人事業主になったら、税金は何種類払うの?いくらかかるの?」——会社員から独立を考えるとき、こんな疑問が浮かびますよね。会社員時代は給与から自動で引かれていたものが、個人事業主になると自分で全部把握して払う必要があります。
現役CFO・税理士4科目合格の立場からはっきりお伝えすると、個人事業主にかかる主な税金は4〜5種類で、それぞれ計算方法と納付時期が違います。事前に把握しておかないと、年間の資金繰りで痛い目を見ることも。各税金の計算例・金額目安・納付スケジュールをまとめて解説します。
📌 この記事でわかること
- 個人事業主にかかる税金の全種類と概要
- 税金ごとの計算方法と金額目安(計算例つき)
- 年間の納付スケジュールと資金繰りの注意点
- 節税の基本(控除のフル活用)
個人事業主にかかる税金は主に4〜5種類
| 税金の種類 | 区分 | 納付先 | かかる条件 |
|---|---|---|---|
| 所得税 | 国税 | 税務署 | 利益が出た場合 |
| 住民税 | 地方税 | 市区町村 | 前年に所得がある場合 |
| 個人事業税 | 地方税 | 都道府県 | 事業所得290万円超 |
| 消費税 | 国税 | 税務署 | 課税売上1,000万円超(原則) |
| 固定資産税 | 地方税 | 市区町村 | 事業用の土地・建物がある場合 |
所得税:利益に対して5〜45%(累進課税)
所得税は「事業所得(売上−経費)」から各種控除を引いた後の「課税所得」に税率をかけて計算します。
課税所得 = 事業所得 − 青色申告特別控除 − 基礎控除(58万円〜)− その他控除
所得税額 = 課税所得 × 税率 − 控除額
※2025年改正で基礎控除は48万円から58万円以上(所得により最大95万円)に引き上げられました。
所得税率の早見表
| 課税所得 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 195万円以下 | 5% | 0円 |
| 195万円超〜330万円以下 | 10% | 97,500円 |
| 330万円超〜695万円以下 | 20% | 427,500円 |
| 695万円超〜900万円以下 | 23% | 636,000円 |
| 900万円超〜1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
| 1,800万円超〜4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
| 4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
※所得税額に2.1%の復興特別所得税が加算されます(2037年分まで)。
・所得税:300万円 × 10% − 97,500円 = 202,500円
・復興特別所得税:202,500円 × 2.1% ≒ 4,252円
・合計:約206,752円
CFO目線:開業1年目は「税金の後払い」に要注意
実務で見てきた中で、開業1年目は「思ったより利益が出て所得税が高かった」というケースが非常に多いです。さらに怖いのが、所得税・住民税・個人事業税が時期をずらして請求されること。利益の3割前後は「税金用」として別口座に取り分けておくと、納付時に慌てずに済みます。黒字が見えてきたら、早めに予定納税(後述)の資金も積み立てておくのがおすすめです。
住民税:所得割10%+均等割5,000円
住民税は前年の所得をもとに計算され、翌年6月以降に4回に分けて納付します(普通徴収)。
・所得割:300万円 × 10% = 30万円
・均等割:約5,000円(市区町村により異なる)
・合計:約305,000円
個人事業税:事業所得290万円超に3〜5%
個人事業税は都道府県が課税する税金で、事業所得が290万円を超えた部分に対してかかります。
| 業種の区分 | 税率 | 主な例 |
|---|---|---|
| 第1種事業(37業種) | 5% | 小売業、製造業、サービス業など |
| 第2種事業(3業種) | 4% | 畜産業、水産業、薪炭製造業 |
| 第3種事業(30業種) | 5%(一部3%) | 医業、弁護士、コンサルタントなど |
・課税対象:500万円 − 290万円 = 210万円
・個人事業税:210万円 × 5% = 105,000円
なお、個人事業税は「租税公課」として経費に計上できます。
消費税:課税売上1,000万円超から原則課税
開業から2年間は、原則として消費税の納税義務が免除されます(免税事業者)。ただし、課税売上が1,000万円を超えた年の2年後から消費税の申告・納税が必要になります。
年間の納付スケジュール
個人事業主は税金の納付時期が年間に分散しています。資金繰りの計画に役立ててください。
| 時期 | 税金・手続き |
|---|---|
| 2月16日〜3月15日 | 所得税の確定申告・納付(前年分) |
| 3月15日 | 住民税の申告期限(確定申告済みなら不要) |
| 3月31日 | 消費税の確定申告・納付(課税事業者) |
| 6月(第1期) | 個人事業税・住民税の通知書が届く |
| 7月31日 | 所得税の予定納税(第1期)※前年税額15万円以上 |
| 8月(第2期) | 個人事業税・住民税 |
| 10月・1月 | 住民税(第3期・第4期) |
| 11月30日 | 所得税の予定納税(第2期) |
節税の基本:控除をフル活用する
① 青色申告特別控除(最大65万円)
青色申告(複式簿記+e-Taxでの電子申告)を行うと、所得から最大65万円を控除できます。課税所得300万円なら、所得税・住民税あわせて年間約13〜20万円の節税効果があります。開業したら最初にやるべき手続きです。
② 小規模企業共済・iDeCo
- 小規模企業共済:月1,000〜70,000円を積み立て、全額所得控除。廃業・退職時に受け取れる個人事業主向けの退職金制度
- iDeCo:月最大6.8万円(国民年金基金等との合算)まで全額所得控除。2026年12月から月7.5万円に引き上げ予定
③ 経費の適切な計上
事業に関係する支出はきちんと経費に計上することが大切です。自宅兼事務所の家賃・光熱費・通信費は「按分(事業使用割合で分ける)」して経費にできます。
まとめ:個人事業主の税金を整理するポイント
個人事業主の税金の要点
- 主な税金は4種類:所得税・住民税・個人事業税・消費税
- 住民税は1年遅れで来る:開業2年目の資金繰りに注意
- 利益の3割前後は「税金用」に取り分けておくと安心
- 青色申告65万円控除は最優先で活用(開業届と同時に申請)
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📖 青色申告で実現する節税まとめ【2026年版】
65万円控除・専従者給与・40万円特例
📖 住民税を安くする5つの方法
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📖 個人事業主の経費【2026年版】
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📖 確定申告が必要な人・不要な人を総まとめ
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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、税率・控除額等は法改正により変動する場合があります。正確な税額計算・申告については税理士等の専門家にご相談ください。控除額等は2026年6月時点の情報です。
広告会社CFO|実務16年半|税理士試験4科目合格。
2026年4月に第一子が誕生、39歳のパパCFOとして育休・家計・税金をリアルに発信中。
個人事業主・副業者・主婦のための税金・社会保険情報を実務目線で書いています。


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