基礎控除が最大95万円に!フリーランスへの影響を現役CFOが解説【2025・2026年分限定の暫定措置】

税金・社保・確定申告
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※本記事は2026年6月時点の情報に基づいています。筆者の実務経験(税理士事務所2年半・経理財務14年・現在広告会社CFO)をもとに執筆していますが、最終的な判断は税理士や所轄の税務署にご確認ください。シミュレーションは基礎控除のみを考慮した簡略計算です。

2026年の確定申告(2025年分・令和7年分)から、所得税の基礎控除が大きく変わりました。

「48万円の壁」と呼ばれてきた控除額が、条件によっては最大95万円にまで拡大。フリーランスや個人事業主にとって、年間の税負担が数万円単位で変わる可能性があります。ただし「誰でも95万円になる」わけではなく、所得段階によって異なる仕組みです。また住民税には今回の改正が反映されないという重要な落とし穴もあります。現役CFO・税理士4科目合格の筆者が、フリーランス目線で正確に解説します。

📌 この記事の要点

  • 基礎控除が48万円から最大95万円に引き上げ(2025年分〜)
  • フリーランスは給与所得控除がない分、引き上げの恩恵が直接効く
  • 住民税の基礎控除は43万円のまま変わらない(最大の落とし穴)
  • 88万・68万・63万円の上乗せは2025・2026年分のみの暫定措置
  • 青色申告65万円控除と組み合わせれば課税所得ゼロも狙える

基礎控除とは?(おさらい)

基礎控除とは、すべての納税者に一律で認められる所得控除です。課税所得を計算するときに、所得から差し引ける金額です。

課税所得 = 合計所得金額 − 基礎控除 − その他の控除

2024年分までは、合計所得が2,400万円以下であれば一律48万円でした。これが2025年分から大きく変わります。

2025年分からの改正内容

2段階の改正:「恒久的な引き上げ」+「2年間の暫定措置」

今回の改正は性格が異なる2つの部分で成り立っています。

① 恒久的な引き上げ(令和7年分〜ずっと適用)
合計所得金額2,350万円以下の人の基礎控除が、48万円 → 58万円に引き上げ。さらに合計所得132万円以下の人は95万円(これも恒久措置)。
② 暫定的な上乗せ(令和7・8年分のみ=2025・2026年分)
合計所得132万円超〜655万円以下の人に、2年間に限り88万円・68万円・63万円の上乗せ。2027年分からはこの層は58万円に戻ります。

2025年・2026年分の基礎控除額(所得税)

合計所得金額 基礎控除額(令和7・8年分) 令和9年分以降
132万円以下95万円95万円(維持)
132万円超〜336万円以下88万円58万円
336万円超〜489万円以下68万円58万円
489万円超〜655万円以下63万円58万円
655万円超〜2,350万円以下58万円58万円
2,350万円超〜2,400万円以下48万円48万円
2,400万円超〜2,450万円以下32万円32万円
2,450万円超〜2,500万円以下16万円16万円
2,500万円超0円0円

※合計所得金額とは、青色申告特別控除などを差し引いた後の所得の合計です。2,350万円超の区分は改正前と変わりません。

ポイント:合計所得132万円以下の「95万円」は恒久措置として残ります。2027年分から58万円に戻るのは、132万円超〜655万円以下の層(88万・68万・63万→58万)です。低所得層への配慮は継続される形です。

フリーランス・個人事業主への影響

「給与所得控除」がない分、直接影響が大きい

会社員は「給与所得控除(最低65万円)」と「基礎控除」の両方が使えますが、フリーランス・個人事業主には給与所得控除がありません。そのため、基礎控除の引き上げはフリーランスに直接効いてきます。

合計所得金額(フリーランスの場合)
= 事業収入 − 必要経費 − 青色申告特別控除(最大65万円)
ここで算出した合計所得金額をもとに、上の表から基礎控除額が決まります。

年収別シミュレーション

青色申告(65万円控除適用)・経費はケースごとに設定しています。基礎控除のみを考慮した簡略計算です。

ケース①:売上150万円・経費10万円

事業所得 = 150万 − 10万 − 65万(青色)= 75万円
合計所得75万円(132万円以下 → 基礎控除95万円)
課税所得 = 75万 − 95万 = △20万 → 0円
所得税:0円
改正前(2024年分):課税所得 = 75万 − 48万 = 27万円 所得税 = 27万 × 5% = 13,500円

→ 改正により所得税が13,500円ゼロに!

ケース②:売上400万円・経費80万円

事業所得 = 400万 − 80万 − 65万 = 255万円
合計所得255万円(132万超〜336万以下 → 基礎控除88万円)
課税所得 = 255万 − 88万 = 167万円
所得税 ≒ 167万 × 5% = 83,500円
改正前(2024年分):課税所得 = 255万 − 48万 = 207万円 所得税 ≒ 207万 × 10% − 9.75万 = 109,500円

→ 改正により所得税が約26,000円減少(年間)

ケース③:売上700万円・経費200万円

事業所得 = 700万 − 200万 − 65万 = 435万円
合計所得435万円(336万超〜489万以下 → 基礎控除68万円)
課税所得 = 435万 − 68万 = 367万円
所得税 ≒ 367万 × 20% − 42.75万 = 30.65万円
改正前(2024年分):課税所得 = 435万 − 48万 = 387万円 所得税 ≒ 387万 × 20% − 42.75万 = 34.65万円

→ 改正により所得税が約40,000円減少

※基礎控除のみ考慮した簡略計算です。社会保険料控除・iDeCo等を加えるとさらに節税効果があります。

⚠️ 住民税は「変わらない」!最大の落とし穴

今回の改正で最も注意が必要なのが、住民税の基礎控除は改正されていない点です。

税目 改正前 改正後(2025年分〜)
所得税48万円最大95万円(所得による)
住民税43万円43万円のまま(変更なし)

例えばケース①(事業所得75万円)の方でも、住民税は次のように発生します。

所得税:0円(課税所得がゼロ)
住民税:75万 − 43万 = 32万円が課税所得 → 住民税が発生

「所得税がゼロになったから税金はゼロ!」と思いがちですが、住民税は別途翌年6月から発生します。あらかじめ住民税分の資金を確保しておきましょう。
CFO

CFO目線:「所得税ゼロ」の年こそ住民税に注意

基礎控除の引き上げで「所得税ゼロ」になる方が増えますが、実務でいちばん見落とされるのが住民税です。所得税と住民税は控除額も課税のタイミングも別物。所得税がゼロでも、住民税は翌年6月にしっかり請求が来ます。「今年は税金がかからない」と使い切ってしまい、翌年の住民税で慌てる——これは個人事業主に本当によくあるパターンです。所得税が減った分は、住民税用に取り分けておくくらいの感覚がちょうどいいです。

青色申告との組み合わせで節税を最大化する

フリーランスが基礎控除95万円の恩恵を最大限に受けるには、青色申告の65万円控除と組み合わせるのが鉄則です。

事業収入
− 必要経費(日常の経費)
− 65万円(青色申告特別控除)
= 合計所得金額(132万円以下なら基礎控除95万円が使える)

合計所得金額が132万円以下になるよう経費・控除を活用すれば、所得税の基礎控除が最大の95万円に。さらに社会保険料控除(国民健康保険・国民年金)を加えると、課税所得がゼロになるケースもあります。

💡 青色申告65万円控除の受け方は青色申告で実現する節税まとめ【2026年版】で詳しく解説しています。

2027年分以降:暫定措置が終わる

重要な注意点として、88万円・68万円・63万円という上乗せは、令和7・8年分(2025・2026年分)だけの暫定措置です。

年分 合計所得132万円以下 132万円超〜655万円以下
〜2024年(改正前)48万円48万円
2025・2026年分95万円63〜88万円(暫定)
2027年分〜95万円(維持)58万円に縮小
ポイント:合計所得132万円以下の人は2027年以降も95万円が維持されますが、132万円超の中所得層は2027年分から58万円に縮小します。中所得のフリーランスにとっては、2025〜2026年分が節税の効果が特に大きい2年間です。

まとめ:現役CFOからのアドバイス

基礎控除改正のポイント

  • 合計所得132万円以下なら基礎控除95万円(恒久措置)
  • 132万円超〜655万円以下は63〜88万円の上乗せ(2025・2026年分の暫定)
  • 青色申告65万円控除と組み合わせて課税所得ゼロも狙える
  • 住民税は43万円のまま → 住民税の備えを忘れずに
  • 中所得層は2027年分から58万円に縮小。今が節税の好機

📊 基礎控除+青色申告で節税を最大化

基礎控除95万円の恩恵を最大化するには、青色申告65万円控除との組み合わせが鍵。会計ソフトなら複式簿記の記帳から青色申告書の作成・e-Tax送信まで自動化できます。青色申告をまだ始めていない方は今が好機です。

※本記事は2026年6月時点の情報です。シミュレーションは基礎控除のみを考慮した簡略計算で、実際の税額は社会保険料控除等によって異なります。個別の判断は税理士等の専門家にご相談ください。

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