年内に絶対やるべき節税5選【2026年・個人事業主・フリーランス向け】

税金・社保・確定申告
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※本記事は2026年6月時点の情報に基づいています。筆者の実務経験(税理士事務所2年半・経理財務14年・現在広告会社CFO)をもとに執筆していますが、最終的な判断は税理士や所轄の税務署にご確認ください。

「節税しなきゃ」と思いつつ、気づいたら12月……という経験、ありませんか。

節税の多くは年内(12月31日まで)に手を打たないと取り返せません。確定申告の時点でできることは限られており、「今年の税金を減らす」行動は今年中に完了させる必要があります。

しかも2026年は、個人事業主・フリーランスにとって特別な節税機会が集中した年です。iDeCo掛金上限の引き上げ、消費税2割特例の終了、基礎控除95万円の暫定措置最終年——やれることをやり切れるかどうかで、数十万円単位の差が出ます。税理士事務所2年半+経理財務14年の実務経験から、今年絶対にやるべき節税5つを解説します。

📌 この記事の要点

  • 節税の多くは12月31日が期限。年内に動かないと取り返せない
  • iDeCo・小規模企業共済は掛金全額が所得控除(合わせて年174万円も可能)
  • 消費税の簡易課税届出は2026年12月31日が重要な期限
  • 少額減価償却資産は2026年4月から40万円未満に拡大
  • 基礎控除の上乗せ(中所得層)は2026年分が最後

節税①:iDeCoの掛金を最大化する

⏰ 期限:年末の掛金に反映させるには10月末ごろまでに手続きを

なぜ最強の節税か

iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金は全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)になります。

所得金額 掛金月1万円で減る税金(年間) 掛金月5万円で減る税金(年間)
200万円約6,000円約30,000円
400万円約12,000円約60,000円
600万円約24,000円約120,000円

※所得税(5〜20%)+住民税(10%)の合計税率で試算した目安です。

2026年12月からの重要変更

上限アップ:2026年12月1日から、個人事業主・フリーランス(第1号被保険者)のiDeCo掛金上限が月6.8万円 → 月7.5万円に引き上げられます(年額81.6万円 → 90万円)。

12月分の掛金を増額するには10〜11月ごろに運営管理機関への変更届が必要です。年末に慌てないよう、今のうちから加入している金融機関に確認しておきましょう。

未加入の方へ:口座開設から掛金拠出開始まで2〜3か月かかります。今から申し込めば2026年分に間に合います。

節税②:小規模企業共済の加入・増額

⏰ 期限:12月31日までに支払い完了した分が当年の控除対象

「個人事業主の退職金制度」で節税

小規模企業共済は、個人事業主・フリーランスが廃業・引退時に受け取れる退職金的な制度で、掛金月1,000円〜7万円の全額が所得控除になります。

月額掛金 年間掛金 所得控除(年間)
1万円12万円12万円
3万円36万円36万円
7万円(上限)84万円84万円

iDeCoと組み合わせると最強

iDeCo(2026年12月から月7.5万円)+小規模企業共済(月7万円)を上限まで活用すると、年間で最大174万円の所得控除が可能です(年換算:iDeCo90万+共済84万)。

CFO

CFO目線:節税と「資金拘束」のバランスを見る

iDeCoと小規模企業共済は節税効果が抜群ですが、どちらも原則として途中で自由に引き出せません。控除額の大きさだけを見て上限まで一気に入れると、手元の運転資金が苦しくなることがあります。私が実務で勧めるのは、「年間の余剰資金のうち、当面使わないお金」の範囲で掛金を決めること。節税は大事ですが、事業のキャッシュを止めてしまっては本末転倒です。無理のない金額から始めて、利益が安定してきたら増額するのが堅実です。

節税③:ふるさと納税を12月31日までに完了する

⏰ 期限:12月31日(絶対に延長なし)

「実質2,000円負担で返礼品がもらえる」節税

ふるさと納税は、寄付金控除を使って税金を先払いする制度。所得に応じた上限額内であれば、自己負担2,000円で返礼品(食品・日用品等)を受け取れます。

フリーランスは上限額に注意

会社員と違い、経費・iDeCo・小規模企業共済などの所得控除が多いフリーランスは、控除が多いほど課税所得が減り、ふるさと納税の上限額も下がる傾向があります。事前に正確なシミュレーションが必要です。

💡 上限額の計算は副業があるとふるさと納税の上限はいくら上がる?で詳しく解説しています。
2026年の注意点:2026年10月から返礼品の経費ルール(いわゆる「6割ルール」)の運用が変わり、同じ寄付額でも返礼品の内容が変わる可能性があります。お得な返礼品は9月末までに確保するのも一つの手です。

節税④:消費税の簡易課税届出(2026年限定・要注意)

⏰ 期限:2026年12月31日(1日でも遅れると2027年分に適用されない)

2026年に特別に重要な理由

2026年分をもって消費税の「2割特例」が終了します。2027年分からは通常の消費税計算(原則課税 or 簡易課税)に戻るため、「どちらを選ぶか」を決めて届出を出す必要があります。

簡易課税を2027年分から適用したい場合、原則として2026年12月31日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を税務署に提出します。

状況 届出期限
2027年分から簡易課税にしたい2026年12月31日(通常ルール)
3割特例(2027・2028年分・個人のみ)を使った後に簡易課税にしたい特例適用期間中は翌年の確定申告期限まで(緩和あり)

フリーランス(サービス業)のみなし仕入率は50%。売上が少なく経費が少ない場合は、原則課税よりも簡易課税が有利なことが多いです。

節税⑤:必要経費を適切に計上する

⏰ 期限:12月31日(その年の経費はその年のうちに)

「駆け込み経費」は慎重に

「12月に一気に経費を使えば節税になる」という話をよく耳にしますが、実態を伴わない経費計上は税務調査で否認されます。正しく経費を計上することが大切です。

年内に決済しておくべきもの

以下は2026年中に決済すれば2026年分の経費になります。

経費の種類 ポイント
業務用ソフト・サブスク年払いで一括払いしているものは年払い分が経費(前払費用の要件に注意)
少額減価償却資産(40万円未満)2026年4月以降に取得・使用開始した設備・備品は全額即時経費(後述の改正に注意)
前払費用支払日から1年以内に提供を受けるサービス(来年分の家賃・保険料等)は短期前払費用として当年経費にできる場合あり
セミナー・書籍・研修費業務に関連するものは経費。受講・支払いは年内に
【2026年改正】少額減価償却資産が40万円未満に拡大:青色申告の中小企業者等が使える少額減価償却資産の特例が、2026年4月1日取得分から「30万円未満」→「40万円未満」に引き上げられました。年間合計300万円までの上限は据え置き、適用期限は2029年3月末まで延長。物価高でパソコン等が高額化している実態に合わせた改正です(個人事業主は従業員400人以下が要件)。
取得時期に注意:40万円未満が使えるのは2026年4月1日以降の取得分です。2026年3月31日までに取得したものは従来どおり30万円未満が基準になります。

CFO目線のアドバイス

経費は「節税のために使う」ものではなく、「事業に必要だから使う」ものです。ただし、どうせ買う予定のものは12月中に決済しておくのは合理的です。不要なものを無理に買うと、税金は減っても手元資金がそれ以上に減ります。

【2026年限定】基礎控除の上乗せは中所得層には今年が最後

節税5選に加えて、2026年だけの重要ポイントをお伝えします。

2025年・2026年分の確定申告では、合計所得金額が655万円以下の人に基礎控除の暫定的な上乗せがあります(最大95万円)。このうち132万円超〜655万円以下の中所得層への上乗せ(88万・68万・63万円)は2026年分が最後で、2027年分からは58万円に戻ります(合計所得132万円以下の95万円は恒久的に維持されます)。

所得を抑えることで節税効果が高まる今年は、iDeCo・小規模企業共済の掛金増額や、前払いできる経費の処理を積極的に活用する絶好のタイミングです。

節税カレンダー:いつまでに何をすべきか

期限 やるべきこと 優先度
〜9月ふるさと納税(返礼品が変わる前に確保)★★★
〜10月末iDeCo掛金増額の変更手続き(12月分から上限7.5万円)★★★
〜11月小規模企業共済の増額手続き★★☆
〜11月末iDeCo未加入なら申込み(12月分に間に合わせる)★★★
〜12月31日ふるさと納税の完了(最終締切)★★★
〜12月31日消費税 簡易課税届出書の提出★★★
〜12月31日年内に決済すべき経費の支払い★★☆

まとめ

2026年中にやるべき節税5つ

  • iDeCo:全額所得控除。12月から上限月7.5万円。変更手続きは10月末まで
  • 小規模企業共済:全額所得控除。月最大7万円。iDeCoと合わせ年174万円控除
  • ふるさと納税:実質2,000円で返礼品。12月31日締切・返礼品変更前の9月がお得
  • 消費税簡易課税の届出:2割特例終了後の対策。2026年12月31日が期限
  • 経費の適切な計上:少額減価償却は2026年4月から40万円未満に拡大

+ボーナス:基礎控除の中所得層上乗せは2026年分が最後(2027年分から58万円)

📊 節税の前提は「正確な記帳」

経費の計上漏れや所得控除の入力忘れは、そのまま払いすぎた税金になります。会計ソフトを使えば、日々の取引から控除・経費を自動で集計し、青色申告書まで作成できます。今年の節税を取りこぼさないために、記帳の仕組みを整えておきましょう。

※本記事は2026年6月時点の情報です。税制は改正されることがあり、個別の状況によって節税効果は異なります。具体的な手続きは税理士等の専門家にご相談ください。

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