年末調整で配偶者控除を適用するチェックリスト【迷わない実務フロー】

税金・社保・確定申告
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※本記事は年末調整での「配偶者控除/配偶者特別控除」の実務チェックリストです。細部は勤務先の指示・最新版の国税情報に従ってください。数字は給与のみを想定した簡易目安を含みます。

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この記事でわかること

  • 今年の年末調整で**配偶者控除(または配偶者特別控除)**を適用するための、準備→記入→提出後のチェックポイント
  • 対象要件の最短確認と、記入のつまずきやすい箇所の潰し込み
  • 103万/150万/201.6万円の目安ラインと「配偶者特別控除」の考え方

まずは“対象かどうか”を30秒でチェック

  • あなた(納税者)の合計所得金額1,000万円以下である
  • 配偶者の合計所得金額
    • 48万円以下 … 配偶者控除の対象
    • 48万円超~133万円以下 … 配偶者特別控除の対象
  • 給与のみ簡易目安:配偶者の給与収入 − 55万円 ≒ 合計所得
    • 例)給与収入103万円 → 合計所得48万円(≒控除対象ライン)
    • 例)給与収入150万円 → 合計所得95万円(≒特別控除“最大帯”付近)
    • 例)給与収入201.6万円超 → 配偶者特別控除の対象外

どの“壁”に当たるかすぐ知りたい方は、当サイトの簡易診断へ:
うちはどの壁?(103/106/130/150/201)簡易診断


年末調整チェックリスト(配偶者控除・配偶者特別控除)

A. 事前準備(配布~提出依頼が来たら)

提出期限を確認(社内締切)
あなたの今年の収入見込みを把握(副業・雑収入の有無も)
配偶者の収入見込みを把握(給与収入は税込支給額でメモ)
□配偶者の他所得(パート以外の事業・不動産・一時所得など)有無確認
□配偶者の**氏名・生年月日・続柄・個人番号(必要な場合)**を確認
同一生計であることを確認(原則、生活費を共にする)
□年内の**就労予定(ボーナス・残業・掛け持ち)**を加味して“見込み”を更新
□去年の控除状況から変更点(就職・退職・出産・離婚/死別 など)を洗い出す
診断ツールで目安確認(上のリンク)
□提出書類一式の所在確認(紙 or Web:**「基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書」**など)

B. 書類の記入(紙 or Web)

あなたの合計所得1,000万円以下にチェック(or 該当欄へ記入)
配偶者の合計所得見積額を記入(給与のみなら「給与収入-55万円」目安)
□配偶者区分(控除/特別控除)を自動/手動で判定(会社の様式に従う)
□配偶者の氏名・生年月日等を正確に入力(漢字/カナの誤記に注意)
□**個人番号(マイナンバー)**の記載・本人確認書類の要否を会社の指示で確認
□同一生計合計所得情報の宣誓チェック(Webならチェックボックス)
□他の控除(保険料控除・小規模共済・住宅ローン控除の有無)も同時に処理
□記載ミスの多い欄:配偶者の所得“見込み”の位取り、単位(円/万円)
□扶養親族欄と混同しない(配偶者控除は“配偶者”欄)
□控除対象外のケース(配偶者の合計所得>133万円、あなた>1,000万円)は申告しない

C. 提出~年末調整後

□社内締切までに提出(紙は回収、Webは送信)
□会社からの差戻し・確認依頼に即対応(見込み額の根拠など)
□源泉徴収票を受領後、配偶者控除/特別控除の適用が反映されているか確認
□年末ギリギリで見込みが変化した場合、会社の規程に従い訂正 or 確定申告
□医療費控除・ふるさと納税(ワンストップ未利用)等確定申告の要否を確認


かんたん判定のコツ(給与だけのとき)

  • 給与のみなら:合計所得 ≒ 給与収入 − 55万円(端数切上げ無しの概算でOK)
  • 例)103万円 → 103−55=48万円(配偶者控除対象ライン)
  • 例)150万円 → 150−55=95万円(配偶者特別控除“最大帯”付近)
  • 例)201.6万円 → 201.6−55=146.6万円>133万円なので対象外)

ボーナス・残業・掛け持ちが増えると、見込み額が越境しやすいです。月別の見込みで上振れがないかチェックしましょう。


記入でつまずくポイント(実務メモ)

  • 「収入」か「所得」か:書類は合計所得金額を聞いてくる。給与だけなら収入-55万円で見積。
  • “見込み”でよいか:年末調整は見込み。年が明けて大きくズレたら確定申告で調整。
  • 夫婦どちらの控除?:控除は**あなた(給与の支払者側)**が受ける。配偶者本人の年末調整ではない。
  • 配偶者の健康保険の扶養とは別物:106万/130万の壁(社保)は税の控除と別判定。混同しない。
  • 1,000万円の壁:あなたの合計所得が**>1,000万円なら配偶者控除/特別控除とも不可**。

よくあるNG

配偶者の見込み額手取りで書いてしまう(必ず税込支給額で)
配偶者特別控除なのに「配偶者控除」にチェック(区分を要確認)
前年の情報をコピペして提出(今年の見込みで更新を)
□マイナンバー記載漏れ/本人確認書類の提出漏れ(会社の案内に従う)
□締切後の修正になり、年調計算に乗らない確定申告が必要に


迷ったら:当サイトの関連ガイド


まとめ

  • 要件(あなた≤1,000万/配偶者の合計所得に応じて控除)をまず確認
  • 提出書類は「基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書」(会社の様式に従う)
  • 見込みで記入→源泉徴収票で結果確認→ズレたら確定申告で調整
  • 社保の扶養判定(106/130万)とは別ルール。混同しない

この記事のチェックリストに沿えば、記入漏れ・区分ミスをかなり減らせます。
不安な方は、先に簡易診断で自分の帯を確認してから書類に向かうのがおすすめです。

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