フリーランス・個人事業主の育児で国民年金が最大約21万円免除!2026年10月新制度を現役CFOが解説

育児・お金系
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※本記事は2026年6月24日時点の情報に基づいています。制度の詳細・手続きは今後の政令省令や日本年金機構の案内で確定する部分があります。筆者の実務経験(税理士事務所2年半・経理財務14年・現在広告会社CFO)をもとに執筆していますが、個別の判断は社会保険労務士・税理士等の専門家にご確認ください。

「フリーランスは育休がないから、子育て中も国民年金を払い続けるしかない…」そう思っていませんか?

実は2026年10月1日から、フリーランス・個人事業主(国民年金第1号被保険者)向けに、育児期間の国民年金保険料を免除する新制度がスタートします。しかも、免除された期間も将来の年金額は1円も減りません。会社員の育休中の社会保険料免除に相当する仕組みが、ついにフリーランスにも広がります。

現役CFO・パパCFOとして第一子の子育てを経験した筆者が、制度の全体像と手続きを解説します。

📌 この記事の要点

  • 2026年10月1日スタート。国民年金第1号被保険者(自営業・フリーランス等)が対象
  • 免除月額は17,920円(2026年度)所得制限なし・父母どちらも対象
  • 実母は最大13か月(産前産後+育児9か月)、実父・養父母は最大12か月
  • 免除期間も年金額は満額のまま(通常の所得免除と違い減らない)
  • 申請はマイナポータルで完結。すでに納付済みの分は還付・充当される

国民年金の育児期間免除制度とは?

2026年10月1日から始まる「国民年金保険料の育児期間免除制度」は、子育て中の自営業者・フリーランスを支援するために新設された制度です。子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律(令和6年法律第47号)にもとづくもので、財源は子ども・子育て支援金などが充てられます。

項目 内容
開始時期2026年(令和8年)10月1日〜
対象者国民年金第1号被保険者(自営業・フリーランス・農業者・学生・無職など)の父母・養父母
免除期間実母:最大13か月/実父・養父母:最大12か月(詳細は後述)
免除月額17,920円(2026年度の定額保険料)
所得制限なし
年金への影響なし(保険料を納付したものとして満額計算)

会社員との格差を埋める制度

会社員は育児休業中、健康保険+厚生年金の社会保険料が免除される仕組みがすでにあります。フリーランスには従来この仕組みがなく、育児中でも国民年金保険料を払い続ける必要がありました。今回の新制度は、この格差を埋めるために設けられたものです。フリーランスは「働いても働かなくても」育児期間の免除を受けられる点も特徴です。

CFO

パパCFO目線:この制度の本当の価値は「年金が減らない」こと

第一子が生まれて家計を組み直したとき、フリーランスの育児支援の薄さを痛感しました。だからこの制度は素直にありがたい。ただ、いちばん評価したいのは「免除なのに年金が減らない」点です。普通、所得が低くて受ける免除は将来の年金が目減りします。でも育児免除は産前産後免除と同じく満額カウント。つまり「今のキャッシュが浮いて、将来の年金も守られる」二重のメリットです。会社の制度設計を見てきた立場でも、これは珍しく素直に得な仕組みだと言えます。

対象者は?私は使える?

使える人(国民年金第1号被保険者)

フリーランス・個人事業主、自営業者(農業・漁業を含む)、学生、無職の方など、国民年金第1号被保険者で1歳未満の子を養育している父母・養父母が対象です。所得制限・業種制限はありません。ただし、子を養育する要件として次の2つを満たす必要があります。

① 子と身分(親子)関係が継続していること
② 子と同一住所であること

夫婦ともに第1号被保険者なら、2人そろって免除を受けられます。所得制限がないので、収入が減っていなくても、仕事を続けていても対象になります。

使えない人

会社員・公務員(第2号被保険者)は対象外ですが、別途、厚生年金の育休免除制度があります。専業主婦・主夫など第3号被保険者は、そもそも保険料の自己負担がないため対象外です。

免除期間は何か月?実母と実父で違う

ここが間違えやすいポイントです。免除される月数は、実母か、実父・養父母かで異なります。

実母の場合:最大13か月

実母にはもともと「産前産後免除」(出産予定月の前月から4か月間。多胎の場合は6か月間)があります。育児免除は、この産前産後免除期間に引き続く9か月間が対象です。合わせると最大13か月間が免除されます(2026年10月1日以降の月分が対象)。

実父・養父母の場合:最大12か月

子を養育することとなった日の属する月から、子が1歳になる誕生日の前月までの最大12か月間が免除されます。たとえば子の出産日が2027年5月1日なら、2027年5月から2028年4月までの12か月が育児免除期間です。

なお、2026年10月の制度開始をまたぐ場合は、開始月(2026年10月分)以降が対象になるため、それ以前に生まれた子では免除月数が少なくなることがあります。たとえば2026年1月生まれの子なら、2026年10月〜12月の3か月分が対象です。

免除額はいくら?

2026年度の国民年金保険料は月額17,920円です。免除月数に応じた軽減額は次のとおりです。

免除月数 免除額(1人分)
3か月53,760円
6か月107,520円
12か月(実父・養父母の最大)215,040円
13か月(実母の最大)232,960円

※2026年度の保険料月額17,920円で計算。年度をまたぐ場合、2027年度の保険料額は変わるため実際の合計額は前後します。

夫婦ともに第1号被保険者なら、2人分が免除されます。たとえば夫婦そろって最大限の免除を受けると、世帯で40万円超の負担軽減になるケースもあります。

重要:年金は減りません

免除された期間は「保険料を全額納付した」ものとして老齢基礎年金の計算に反映されます。所得が低い場合の通常の申請免除では将来の年金額が減ってしまいますが、育児免除は産前産後免除と同じく満額が保障されます。「払わずに済んで、将来の年金も減らない」という、数少ない素直に得な制度です。

手続き方法と申請タイミング

申請方法はマイナポータルが最も簡単

手続きはスマートフォンのマイナポータルから行うのが最も簡単です。マイナンバーカードがあればオンラインで完結し、スマホで電子申請する場合は基本的に書類の添付も不要です。もちろん、お住まいの市区町村窓口や年金事務所への書類提出(産前産後免除該当届/育児免除該当届)でも手続きできます。

すでに納付した分は還付・充当される

うれしいのは、すでに保険料を納付している期間や、前納している期間も、届出をすれば育児免除期間として扱われる点です。納付済みの保険料は、他の期間に充当されるか、還付されます。「もう払っちゃったから手遅れ」ということはないので、制度開始後に忘れず届け出ましょう。

iDeCoをしている人に朗報:育児免除は「別枠」

通常、国民年金保険料の免除を受けている第1号被保険者はiDeCo(個人型確定拠出年金)に加入・拠出できません。しかし育児免除については、iDeCoの掛金拠出可能期間に追加する方向で制度整理が進められており、通常の免除とは別枠で扱う方針が示されています。つまり育児免除を受けながらiDeCoの積立を続けられる見込みです。最終的な扱いは施行後の日本年金機構・金融機関の案内で確認してください。

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一緒に知っておきたい育児・出産の支援制度

フリーランス・個人事業主が活用できる育児・出産関連の支援は、国民年金の育児免除以外にもあります。

制度 内容 金額の目安
出産育児一時金国保・健保から支給子1人につき50万円
国民年金の産前産後免除出産前後の国民年金免除(4か月・多胎6か月)月17,920円相当
国民健康保険の産前産後免除出産前後4か月の国保料の所得割・均等割を免除月1〜3万円相当
児童手当高校生年代まで毎月支給・所得制限なし月1万〜3万円
医療費控除出産費用・検診費用を確定申告年10万円超の部分が対象

※国民年金の育児免除(健康保険・国保ではなく年金)と、国保の産前産後免除は窓口が異なります。なお、育児期間中の国民健康保険料の免除制度は現時点では予定されていません。

これらは申請しないと受けられないものがほとんどです。国民年金の育児免除を含め、出産・育児で受けられる支援をしっかり把握して、取りこぼさないようにしましょう。

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まとめ

国民年金 育児免除の要点

  • 2026年10月1日開始。第1号被保険者(自営業・フリーランス等)が対象
  • 免除月額17,920円(2026年度)・所得制限なし・父母どちらも対象
  • 実母は最大13か月(産前産後+9か月)、実父・養父母は最大12か月
  • 免除期間も年金額は満額のまま。納付済み分は還付・充当
  • 申請はマイナポータルで完結。育児免除中もiDeCoは継続できる見込み

2026年10月以降に出産予定の方は、制度開始後すぐ申請できるよう準備しておきましょう。すでに子育て中の方も、対象月が残っている可能性があるので要件を確認してください。フリーランスの育児支援は「知って、申請した人だけ」が得をします。

※本記事は2026年6月24日時点の情報に基づく一般的な解説です。制度の詳細・申請手続き・iDeCoや前納の取り扱いは、今後の政令省令や日本年金機構の案内で確定する部分があります。一次情報は日本年金機構「令和8年10月から国民年金保険料の育児免除制度が始まります」および厚生労働省の関連資料を参照しています。社会保険・税務の個別のご判断は、社会保険労務士・税理士等の専門家にご相談ください。

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